こんにちは、製造業IT技術者 ふみ です。製造現場へシステム導入する時に
事務所じゃなくて生産ライン内にパソコンを置く場合があります。今回は製造現場にパソコンを置くメリット、デメリットと設置解決策を考えてみました。
メリット
作業場に近く迅速に状況確認、トラブル対応できる
一番のメリットはこれでしょう。機械に備え付けてあるタッチパネル以外に、パソコンでは生産システムで進捗を確認したり、次生産するための段取りをしたり近場にパソコンがあると非常に便利です。生産ラインでは、日々生産量をこなさないといけないので迅速にイレギュラー対応可能な環境にしておくべきかなと思います。主に用途としたら以下の2点かなと思います。
生産システムで進捗確認、割り込み、キャンセル、異常時対応
日報等の記録データ作業
リモートサポート(VNC等)を受けれる
最近の生産現場では製造実行システム(MES)が導入されいるところも多いのではないでしょうか?日々受注情報→製造実行システムへ流れていくなかでシステムエラーが発生する場合もあると思います。その場合近くにパソコンがあれば
システム運用チームから支援を受けることが可能です。
デメリット
作業中に衝突して壊れやすい
製造現場では、物を運ぶということは必ずあると思いますが、以前作業者の方が材料を運搬中にパソコンにぶつけて壊してしまったことがありました。
高温・多湿で故障率が高まる
高温・多湿には精密機械全般弱いのでパソコン含め壊れる可能性が高いです。基本的に現場に置くべきではないです。
粉塵が入り込んで故障
粉塵が舞っている現場はよくあります。特に金属系の粉塵が舞っている現場ではパソコン内部に金属粉が積もって壊れる可能性があります。
LAN配線が乱雑でネットワークが途切れる
製造現場にパソコンを置く時、現場担当者がネットワーク配線する場合がよくあります。例えばLANケーブルをしっかりHUBのポートに差してなかったりして突然ネットワーク不通になったりします。また間違ったHUBに差してネットワークループして通信不能になったりもします。必ずネットワーク管理者(情報システム等)に相談してから実施するようにしましょう。
IPアドレス重複が頻発する(管理されなくなる)
PLC等制御機器のネットワーク化は、10年前に比べると増えています。
昔はパソコンのIPアドレス管理だけでしたが現在はPLC、タッチパネル、ロボットコントローラ、画像装置等々どれがネットワーク接続しいるかしっかり管理しないと重複が発生します。製造現場のIPアドレス管理は情報管理がかかわってない場合が多いのでその点がデメリットかなと思います。
止めるべき注意点
床に直置き
最もやってはいけないことです。よくあるパターンとして机の下とかに一旦置いといてそのまま放置されている場合があります。足元にあると蹴ってしまうこともありますし、2Sの点からもよくないと思います。最近豪雨災害多いですよね?その場合、工場内に浸水する可能性がありますのでその点も注意が必要です。
設置解決策は2つ
①PC本体を事務所、モニタを現場に置く
もっともおすすめする方法として、映像エクステンダーを使う方法です。現場に本体を置かなくてよいので故障の確率も低く、必要な時に現場ですぐ操作できます。難点といえば専用の機器(映像エクステンダー)を購入しないといけない点でしょうか
以下 例:サンワサプライ 映像エクステンダー用途説明
②防塵ラックにパソコンを入れる
デメリットで挙げた衝突、粉塵、高温を対処できるものとして作業台式の
防塵ラックにパソコンを入れる方法もよいと思います。筐体は大きいですが、その分存在感がありパソコンの管理はやりやすいかなと思います。
以下 例:SDS まもる君CompactV+