デジタルIT人材が早く育つ効果的方法

システム開発

こんにちは、製造業IT技術者 ふみ です。最近製造現場のお客さんからIT教育お願いできないか?との問い合わせが増えてきました。どう教育すればいいか試行錯誤しながら半年で13名の卒業生(笑)が巣立っていきました。全員非IT業務の方たちです。その中でITへの理解が深まった効果的な方法があったのでご紹介したいと思います。

デジタルIT人材とは

自分の認識では以下です。

デジタルIT技術を活用して自社の課題、ニーズを解決できる人材

社員は仕事をすることで会社の利益を最大化することが目的だと思います。デジタルIT技術は「共有化」「効率化」「自動化」が得意です。この3点を使って自社に新たな価値・利益を生むことがデジタル人材には必要だと思います。

必要な素養

①自社の業務に精通している

会社の業務に精通していないと新たな価値(利益)は生みにくいです。なので今回研修受けた非IT業務者の方たちこそ向いているんではないかと思ってます。

②デジタルIT技術に精通している

これはどこまで精通するか難しいですが、新しいITトレンドには敏感にそれが自社にどんな業務で活用できるか、想像できるようになれば一人前だと思います。非IT業務者の方にアドバイスするとすれば、具現化するところはIT専門家に相談するべきかなと思います。私は専門家ですがやっぱりわからない分野あります。
その場合はその分野のスペシャリストに相談しています。なのですべてに精通する必要はないかなと。。。

③費用対効果(付加価値)の高いシステム企画・設計ができる

ここも難しいですね、これは経験が必要です。実行部隊に入らなくともデジタル化プロジェクトなどに参画することにより徐々に企画力は上がってくるともいます。とにかく経験ですね

デジタルIT人材はそう簡単に育たない

必要な素養3つ挙げましたが、難しいですよね。。。。簡単には育たないです。だって育ってたらIT人材不足してませんよね。。。。
※IT人材不足については以下記事の一部で書いてるので興味がある方は見てください。

デジタルIT人材研修で効果があった方法

ようやく本題です。効果的だった方法は1つです。

【方法】共同で簡単なシステム開発する

理由①成功体験

今回研修受けていただいた非IT業務の方たちは突然抜擢されたみたいです(笑)
そういう人には1つでも業務をやってみて効果が出るという体験が最も必要になってきます。人は成功体験があればあるほど自信を持ち新たなチャレンジができるようになると私は思っています。

理由②システム開発フローの把握(裏方把握)

これは研修した人から言われました。その方はシステム化依頼を情報管理部門に依頼したときあっさり断られた事があるらしいです。難しいと。。。今回の研修で本人が思っていた以上に無理なことを言っていたことに気づいたらしいです(笑)でも今回の研修でこうしたら簡単かもというのに気づいたようなのでまた依頼してみると言ってました。そういう面からみてシステム開発の内側を見るというのはとても重要な点だなと感じました。

【実例】テーマ(IoT)

目的:生産ラインの稼働率を上げたい

研修生のリアルテーマとしてあがりました。
まずは目的を明確にします。今回の目的は「生産ラインの稼働率を上げたい」というテーマです。工場IoTとしてよく上がる案件ですね、私も何回もやったことあるのでなにやればいいかはなんとなくわかってるので教えやすかったです。

ベネフィット(価値):非稼働時間の把握→削減

研修生には、最終的な価値(利益)は何ですかと考えてもらいました。
それが「非稼働時間の削減」です。

ターゲット(恩恵者):工場長、ライン長、生産技術者

これも考えてもらいます。だれが恩恵を受けますか?ということ
誰のためにやるのかというのは常に意識しておいた方がいいですね。

対策:生産設備稼働状態の見える化

重要なことは現状把握ができることです。
結局アクションはPDCAですよね。。
全体のアクションを書くと以下です。
データ収集→状況把握→改善案立案→改善実施→効果検証
のプロセスで進めていきます。

概要(指導しながら)

①稼働監視用データベースの準備

 データベースはPosgreSQLを用意しました。
データベース設計に関してはアーキテクチャはある程度自分がしました。
 実際にデータ収集後登録するテーブルは研修生に設計してもらいました

②PLCデータ収集ツールの開発

PLCメーカーが出しているモジュールを使って開発しました。
指定のPLCメモリエリアに情報が書いてあるとの事でそのメモリエリアから
 定期的に収集(ポーリング方式)するようにプログラムを作ってもらいました。

③稼働監視モニターWEBアプリ開発

 なんでもいいなと思ったので、PythonのFlaskでWEBアプリを作りました。
フロントのグラフ化するところを中心に開発をしてもらいました。
 ※Pythonは、人工知能・AI等データサイエンス分野でよく使われている言語
簡単で学びやすいので初心者はこの言語やればいいと思ってます。

効果

非稼働時間 86分発見から64分削減に成功

今回無事効果が出たと研修生から連絡貰いました。
IoTの案件は現状把握後に本当に効果があるかどうはやってみないとわからなくて、費用対効果という面でトライすべきか迷うんですよね。。。。
だからこういう研修名目でやってみて効果があればお客さん側もメリット大なんじゃ(笑)と思っています。

【最後に】何で私に依頼がきたのか

依頼先の責任者の方に気になって聞きました。
単純に付き合いがあって、頼みやすい人だからと(笑)
もっと仕事できるからとか言ってくれるかなと思ったんですが(笑)
信頼関係はあるということで今後も頑張っていきます。

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